感想 THE MENTALIST/メンタリストs1第7話
今回も面白かった。
以下、メンタリスト シーズン1第7話「朱をそそぐ」の感想です。
・あらすじ
被害者である未亡人ローズマリーの轢死事件の捜査に当たるCBI。そこへ現れたのは、被害者のカウンセラーをしていた”霊感セラピスト”のクリスティーナ。クリスティーナが犯人であると疑うジェーンは、ペテンを見破ろうと彼女と対峙するが…。
・感想
見所が多かった今回。
まず、”元”自称霊能力者ジェーンのもとに”現”自称霊能力者が現れて対決するという構成がすでに面白い。
また、当然ペテンだと喰ってかかるジェーンに対して、しっかりと設定を守って応戦する様は、ヴァンペルトじゃないけど、本物っぽく見えてくるから不思議。
そしていつも通り、犯人候補を何人か登場させ、事件の人間関係を膨らませていくが、家出中の息子を留守番電話のメッセージだけで動物園に呼び出すのはさすが。(回転や木馬といったワードでメリーゴーラウンドを連想させたとしてもそんなに上手くいかないだろうなあとは思うけれど、そこはドラマ的演出ということで)
そういえば、壁の様子や窓の割れ方、写真の傷などから人物像を推理していく点は、シャーロック・ホームズの観察的推理(呼び方がわからない…)と同じだなあと観ていて思った。
コールド・リーディングとホームズ的推理は包摂関係にあるのかな。
この手法は観ていて面白いし、推理・事件モノには欠かせない要素である。
それから、今回の相手(?)が自称霊能力者ということもあって、霊能力を信じるヴァンペルトとの軽い口論が挟まれたりと、ジェーンの霊能力を否定するスタンスを強調する描写が何度か。
しかし、ジェーンは自分のこと以外であれば普段通りお洒落にかわすのに、自分の暗い過去に触れるときは流石に余裕がなくなってしまう様子。
やはり今回のエピソードではジェーンの様子がいつもと違って見えた。
それは、あの自称霊能力者クリスティーナに自分の過去を見透かされていないとは思いつつも、どこかで誰かに救いを求めている自分がいて、でもそれを悟られまいと余裕ぶった振る舞いをするが、しかし上手くいかない、といった微妙な心理状態が見て取れたから。
さらに、この微妙な心理はラストのクリスティーナとのやり取りでも表現された。
クリスティーナからジェーンの妻の霊による娘の最後の様子を聞かされたとき、普段であれば霊との会話なんかできない、と否定しそうなものである。
しかし、このときは気の利いたリアクションもできず、しばらく動けないまま虚空を見つめ、その目には涙が。
その言葉は、嘘かもしれないしペテンかもしれない。
けれど、自分の過去の暗い部分を優しく撫でられたことで、自分のせいだという後悔や罪悪感にずっと苛まれて生きているジェーンの心にも響いたということなのだろう。
ちなみに事件の犯人は被害者の娘だった。意外。
あの降霊会でペテンを見破るはずだったけど、実際にペテンかどうかは不明のまま。
ジェーンやリズボン他捜査員たちは、娘が犯人だとどこまで確証持っていたのだろうか。
この捜査のあたりは描写が少なかったので割とガバガバなのだけれど、でもそんなのはどうでもよくなっていしまうのが、このメンタリストというドラマの良い(?)ところでもある。
全体を通して役者さんも良かったし、見応えがあって面白かった。
以上こんなところで。
ジェーンの感情を失ったような真顔は見てて悲しくなるからなるべく見たくないです…。