感想 THE MENTALIST/メンタリストs1第9話
ドラマ『メンタリスト』シーズン1第9話「真っ赤な炎」の感想記事です。
ジェーンの過去に触れることも多くなってきましたが、今回は果たして。
オープニングはCBI内での雑談から。
リズボンとジェーンが対面してるとドキドキしますね。
心を見透かされまいと強がるリズボンですが、ジェーンはそれもお見通しです。
チョウの報告から事件現場へ。今回は放火殺人。リグズビーが放火事件の専門のようで、頼もしいシーンが随所に見られました。
ここで簡単な人間関係を把握。被害者(リッチ)と事件現場を案内してくれた警察署長のピラー、後で出てくる不動産業者ベンは同じ192小隊に所属していた軍人仲間だそう。
早速リッチの家に聞き込みに行くCBIですが、ピラーとリッチの妻スーザンの所作から不倫を見抜くジェーン。
刑事ドラマに不倫はつきもの…。
ジェーンはリッチの娘マデリーンを見つけ会話します。
この時にジェーンが、イヤホンつけてるマデリーンに口パクで何か喋ってるように振舞い近づきます。自分も同じようなことをしたことがあるので親近感が湧きます。ただの変な人。母娘の関係は良くなさそうです。
妻のスーザンから話を聞いてると、トミーという名の青年がやってきます。彼は周りから馬鹿にされているようです。
そして、ジェーンはスーザンにズバリ問います。愛人のピラーとあなたが殺したか愛人が殺したかのどちらかだ、と。スーザンはキッパリと否定します。
給油所のリースに聞き込みをしていたヴァンペルトとリグズビー。デーブという、これまた同じ小隊に所属し、同じく火事で死亡した人物の名前を引出しました。
そこへ、ピラーの家が火事との報告がきたため、二人はピラーの家へ急行します。
炎が上がる家の中に入り、逃げ遅れたピラーを抱えて救出するリグズビー。カッコ良かったです。今のところ、シーズン1でベストのアクションでした。
ピラーは一命を取り留めたが危険な状態。体内から睡眠薬も見つかったことで、ピラーは容疑者から除外されます。
ヴァンペルトの手当てを受けているリグズビーは、なんだか目がトロンとしています。それが鎮痛剤によるものか恋心によるものなのか、はたまたその両方か…。
手がかりを探しにデーブが生前住んでいた家へ向かったジェーンとリズボン。そこにはトミーがいました。生前デーブから世話になっていた友人のようです。ちらっと映る『白鯨』。意外と馬鹿ではないのか?
デーブの家の裏に、湧き水を発見。お金を生む。殺す動機も…。
リグズビーとヴァンペルトの待機所では、リグズビーがとうとうヴァンペルトに告白(?)します。普段以上に流暢にヴァンペルトを口説いていました。鎮痛剤ってすごい。
ただ、ヴァンペルトが仕事が好きと自分に言い聞かせるように拒んでいると、リグズビーは寝落ちしてしまい、結局つきあうことにはならず。なんとなく真剣にアプローチすればオッケー貰えそうなそうでもなさそうな…?
ベンの尋問では特に手がかりを得られず釈放することに。
ジェーンは、ベンを殺しにくる人物を捕まえるためにベンを餌にすることをリズボンに提案します。リズボンは、ベンの身の危険を案じて却下。
ジェーンはベンがデーブを殺したと推理した上で、リズボンの意見はあくまで法の執行で、正義はベンを許さない、ベンに何かあってもそれは正義の下にあると主張します。
またジェーンは、「レッド・ジョンを捕まえたら、僕の妻子と同じようにじわじわと死なせる」、と復讐の決意を明確にリズボンに伝えます。
ジェーンの復讐心は”常識人”のリズボンの想定するよりもはるかに大きいのでしょう。
ジェーンはベンの倉庫で一芝居を打ち、ベンからデーブ殺害の自供を得ることに成功します。ここの演技は明らかに子供騙しの芝居で良かったです。その後、何者かによって倉庫に閉じ込められ、放火されてしまいますが、なんとか難を逃れます。
そして、ジェーンと駆けつけたチョウたちは、その場に見に来ていたトミーを拘束します。
ここから種明かしパート。
連続放火の犯人は馬鹿のトミーでした。リッチ、ピラー、ベンの3人がデーブと湧水の利権のことで揉めて殺害したため、その復讐だったのです。
ここでの見所は、ずっと馬鹿な人間の演技をしていたトミーとジェーンの会話です。トミーはそれまで自信なさげで吃音気味でしたが、ジェーンにより本性を暴かれた後は、堂々として態度も大きくなりました。全部世間の目を欺く芝居だったのです。
見抜くきっかけとなったのは、やはり『白鯨』でした。
自供シーンで気になったのは、トミーがリッチやピラーが悶え苦しんでいるのは絶景だったと、自分の復讐犯罪を恍惚と語っている時、それをジェーンが口元に軽く笑みを浮かべながら聞いていたことでした。復讐を果たして満足した者に対して、相手すら掴めないでいる復讐志願者ジェーンが何を思って聞いていたのか本当に気になります。
ラストでは、スーザンとマデリーンにトミーからの謝罪の伝言を伝えます。泣きじゃくるマデリーンはトミーが出所したら殺してやると言います。しかし、ジェーンは、「復讐は毒だ。まともな人間はしない。」と人が変わったかのように諭します。
ジェーンも常識的な一般論を持っていて、自分の置かれた個別事情との間で悶え苦しんでいるのでしょうか。
そして最後にスーザンとマデリーン母娘をハグさせてその場を後にするジェーン。これも、形だけでも家族が生きているだけましだ、ということを暗に伝えたかったのかなあとか思ったりします。
ジェーンの発言・行動の一つ一つに何かメッセージが込められているのだなあとか考えていたら、そんな視聴者を嘲笑うかのように、軽やかに雨の中に飛び込む陽気なジェーンで終わりです。
やはり復讐がしたいのでしょうね。ジェーンは。それもただ捕まえて法の執行を待つのではなく、自分で手を下したいと。仇討ちですね。
しかし、やはり、私刑※法によらず個人で制裁を加えることは禁止されていますからね。ダメですよ。ジェーンも分かっているからこそ苦しいのでしょう。うーん、難しい。
今回はこのあたりで。